女子高校生作家シリーズ第2弾は、桜井亜美さん。
もう、今は、女子高校生じゃないと思うけど、デビュー当時は、すごいブームを巻き起こした作家ですよね。
顔を公表しないことも話題で、「実はオッサンが書いてるんじゃないのか」というウワサもあったような‥

その頃、とっくに高校生じゃなかった私にとっては、特に興味がない作家だったんだけど、パラパラと立ち読みした作品(タイトルは忘れた)の冒頭部分に、「彼の笑顔は、エレカシのボーカルにちょっと似ている」みたいな表記を見つけたことで、一気に好感度アップ!!! 蜷川実花さんの写真も魅力的で、何作か立続けに読んだけど、最近は、ご無沙汰でした。

「MADE IN HEAVEN―Kazemichi」は、「MADE IN HEAVEN―Juri」というもう1つの作品と対になっていて、同じストーリーを男性の視点(Kazemichi)、女性の視点(Juri)それぞれから描いたもの。
同じような手法の作品としては、江國香織・辻仁成の競作『冷静と情熱のあいだ』が有名ですね。

で、今回、私が読んだのは、「MADE IN HEAVEN―Kazemichi」の方。
この作品が発表されたのは2001年。桜井亜美さんのデビューが1996年だと思うので、5年目の意欲作ということなのかな‥ちょっと異色の作品。
桜井亜美の作品は、そこに描かれるSEXや援交といったにばかりに注目が集まってしまったけれど、本当は、かなり上質な恋愛小説だと思う。
このMADE IN HEAVENは、人工心臓で再生された主人公という奇異な設定をとったことで、彼女の恋愛小説家としての本質が際立って魅力的に感じられた1冊。
ストーリー展開には、やや説明不充分なところもあるけれど、もう1冊の「MADE IN HEAVEN―Juri」を読めば完成するのかな? 早めにこれも読んでみようっと。

‥ということで、突然の女子高校生作家シリーズでしたが、イマドキの女子高生風ではない綿谷・島本の方が、イマドキの女子高生風な金原・桜井よりも、その冷めた感情の恐ろしさを感じてしまうのが不思議です。

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